2014/9/14 谷川岳 高倉沢
(1449m 群馬県)

CQスキーサークル9(CS9)
2014/12/2 UP
Present by Studio Riku
mailto:studioriku@ybb.ne.jp

■谷川岳高倉沢 山頂制覇できず直前で撤退ビバーク
■2014/9/14(日) 晴れ
■参加者 長島、大島、生田
■アプロー
チ・コース
長島宅6:30→7:00太田藪塚IC→水上IC→7:40土合駅手前のトンネル脇駐車スペース
駐車スペース8:00→高倉沢出合→5m,8m滝→二俣→高倉沢東尾根→東尾根ナイフリッジ(撤退)→12mナメ→2段4m滝→日暮歩行困難につきビバーク
翌日6:00→二俣→2条8m滝→薮こぎ→湯檜曽川駐車スペース→水上(諏訪の湯)→太田藪塚IC
■装備
・ザイル 9mm 40m ・簡易ハーネス ・ヘルメット ・カラビナ ・8管 ・捨
ザイル、スリング ・地下足袋 ・・など
■記
谷川山系は沢も沢山あり結構沢登りマニアのメッカになっています。 8月に入ると雪渓もほとんど無くなり、沢水も
温かくなって絶好の時期になります。 我々も早速挑戦です。 既に一ノ倉、マチガ沢、西黒沢などアッタックしてきており今回は手前の高倉沢です。 近場なので早朝ですと1H程度で現着です。 駐車スペースは我々の車だけです。 登山カード箱は無いので、念のため車のワイパーに挟んでおきます。 先ずは湯檜曽川の渡行ですが水量が多く流されそう・・初めから濡れるのも嫌なので浅そうな所を何とか渡ります。 直ぐ高倉沢出合は発見できましたが水量は僅かです。 水に濡れた沢底の岩はやけに滑ります。 履いてきた地下足袋でも難儀します。 意外とコケの上は滑りません。 小さな滝がサラサラと心地よい水音をたて流れ落ちています。 5m,8m滝は左側に固定ザイルが有るので、つかまって登ります。 厳しそうな所は巻き道が有るので適当に迂回します。  1時間ほど遡上すると二俣に着きました。 我々はビギナーの左俣へ進みます。 苔むした岩々の間を清流が流れ別天地で、正に渓流遡上の醍醐味です。 枯れ沢を通過している辺りから右尾根支流に迷い込んだらしく。 持参mapとは違った状況です。 今思えばここでしっかり確認修正すべきでしたが・・まあ登れば高倉山に着くだろう・・と軽い気持ちでのぼり詰めるが、尾根筋に出ると道はなく、石楠花が密集していて突破できません。 小枝を踏みつけ、迂回も行い進むと今度は岩場です。 用意して来たザイルで確保しながら進むと、今度はナイフエッジ状の尾根です。 高倉山は直ぐ目の前に見えるのですがねー。 やむなく撤退! (後で調べると突破したパーティもありました)  辺りを見ると右には右俣遡上コースです。 小木には捨てザイルもあり結構間違って遡上してしまったパーティもあるのだなと思いました。 登ってきたルートを戻ろうとしても迂回が多かったので発見できず! やむなく右の左俣沢を目指して下ります。 何とか沢まで降りましたが、沢下りは大変です。 3段7m滝付近でしょうか? 滑って掴まり所が有りません。 やむなくザイルで懸垂下降、30m近く落差が有るので持参した40mザイルではダブルで20mしか降りられないので、途中の小木で支点の取り直し。 ここは悔しいですが捨てザイルで支点取りです。 難関箇所を突破しましたが時刻は16時を過ぎ日没近し、ヘッドライトを準備し更に下山・・しかし薄暗い沢の下りはチョット油断すると滑り易い岩に足を取られヨタヨタ・・大島氏からビバーク提案・・もう少し歩けるまで・・が! 限界! これ以上のの歩行は危険!! ビバークの適地を探しますがなかなか見つかりません。 辺りは暗くなる一方・・やむなく大きな木の下でビバーク準備します。 寝る場所を作りますが、斜度がきつくやっと何とか横になるスペースを確保、持参の衣類を有るだけ着込みます。 その上に雨カッパを着て準備、食料は各自確認で凌げそう・・お昼のカップラーメンがそのまま残っていたので温かいラーメンを作ります。 イヤー美味しいですね!! 深黒の闇、長い夜になりそうです。 幸い長島氏がドコモ携帯を持参していたので家族へ、今晩帰宅不可、概略のビバーク場所を連絡しました。 電池切れそう・・幸い天気が良く、風も無いので助かります。 それでも夜が更けて来ると寒くて寝付けません。 もぞもぞし、「焚き火をしよう・・」 周りには結構枯れた程よい焚き木がいっぱいあります。 早速集めて焚き火を灯します。 「あったかーい」 炎を囲みながら時の経過を待ちます。 東の尾根から月が上りうっすらと明るくなってきました。 梢の間からは秋の星座が見えています。 結局1時間毎に焚き火で暖をとります。 5時過ぎ、うっすらと明るくなってきました。 そろそろ身支度準備、あったかーいコーヒーで活力を得ます。 6:00下山開始。 藪は無いので歩き易いですが、右岸沢沿いまで来ると崖状態、早速ザイルで懸垂下降、崩れ易い岩場で落石発生、岩の落ちた場所が軟土で衝撃吸収され大事に至らずヨカッタ・・ 沢下りを考えずに登ってきたので下山ルート探しに一苦労、何とか記憶をたどり下ります。 最後は沢に出ず、尾根筋の藪こぎ、正面の湯檜曽川、その先に国道が見えてきました。 やれやれ・・河岸の下りも崖状態、ここも懸垂下降、もう慣れたものでスイスイ・・際どい場面も有りましたが何とか無事に下山できました。 帰りはお馴染みの水上、諏訪の湯で心身共に疲れた体を癒し帰路に付きました。

それにしても、なかなか味わえない体験となった沢登りとなりました。 体験ポイントと反省教訓・・
1.全員協力しチームワークで難関対処。
2.決断、行動は全て早い時点・段階で行うこと。 (ビバークの決断・・大島さんの提案を早く実行していらば快適なビバーク!! など・・)
3.遡上図の他、山系マップ、沢写真なども持参すること。
4.コース分岐点では入念に確認すること。
5.事前リサーチの充実、必要装備の充実 (今回は全員ヘッドライト、最少の衣類食料を持参しており救われました)
ベテランの皆さんでは常識!! と思いますが・・

■参考サイト
http://page.freett.com/sawanobori5/page028.htm  http://mountadv.blog69.fc2.com/blog-entry-154.html

■立寄湯  水上 諏訪の湯

     
       F3 8m5mの滝前にて (生田、大島、長島)                                苔むした清流 高倉沢


今回の
遡行ルートマップ

土合駅手前のトンネル脇に駐車

このところの雨で湯檜曽川の水量も多い 膝まで水没 8:00

沢石は滑って危険 地下足袋でも歯が立たず 8:20

慎重に岩場をクリア

左(右岸)落口の高さから残置ザイルがあ り

残置ザイル登る(長島)9:00

残置ザイル登る(大島)9:00

正に箱庭の風景 思わず佇む

水を避けながらよじ登る(大島)9:50

出来るだけ濡れない様に(長島)

初秋なのに山アジサイが咲いています10:00

木々の合間から谷川双峰岳が見えてきました11:00

岩場をよじ登るが・・この先がナイフリッジで撤退13:00
厳しい・・

17:30釣瓶落しで真っ暗、危険なのでビバーク

ビバークポイント 斜度がきつくザイル固定し休む(大島)

木の根っこでビバーク (生田) 18:00

焚き火の傍でビバーク (長島)

深夜は好天とは言え冷込み1H毎に焚火で暖をとる

翌朝明るくなたので下山(最後の懸垂下降)

懸垂下降も上手になりました(長島)

湯檜曽川の浅そうな所をを渡ります (ピンクリボン有り)

無事 湯檜曽川へ到着 一安心 翌日9:30

今回の使用装備 (黄色の9mm40mザイルを使用)

装備(大島氏)

生田、長島 装備品
ハーネス、カラビナ、8管
 (捨
ザイルは1本残してきました)

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